組織票の強さ

同じ話が続きましたので、少し趣向を変えます。

あるお坊さんの話は番外編を書く予定です。

今回の参院選でつくづく感じたことは、今更ながらに組織票の強さがいかに強大であるかという事を痛感させられたことです。

自民党は戦後政治のなかで、ほんのある一時期を除いて常に巨大与党として君臨してきました。

自民党には経済界を中心としたおびただしい組織が繋がり、それに加えて一部の宗教組織が加わり、それぞれの組織の代弁者として自民党が機能しているという構図が出来上がっているわけです。

それらの団体と自民党の間には、利益(利権)の代弁者として票が流れて行くのですが、そこには当然政治献金も加わります。

さらに自民党には、国会議員を頂点として(多くの県連では国会議員が代表を兼務)、県会、市会、町会、村会という国会議員を頂点としたピラミッドのヒエラルキーが出来上がっており、各々の階層と繋がった組織や人脈を通して、全国津々浦々に至るまで集票がなされるという集票機能も出来上がっているのです。

日本テレビに「笑点」という番組があり、林家木久扇という落語家さんがいるのですが、彼は自分でもラーメンブランドを持ち「全国ラーメン党」なる組を立ち上げています。

ある時彼は、ラーメンの本場、中国にも日本のラーメンを広げたいと考えました。

そこで誰に話したらよいかと考えた末、思いついたのが、当時中国の要人と深い関係にあった田中角栄さんでした。

彼は何度も田中事務所に押し掛けましたが、秘書からまったく相手にされず、それでもめげずに行ったある時、たまたまそこに角栄さんがいて、自分はとても忙しいのに、君達はいったいなんなんだね!と、角栄さんから怒鳴られたそうです。

そこで木久扇さんは怯まず、ラーメンに対する思いと、ラーメン党という組織を立ち上げ会員が何万人かいるという話をした途端、角栄さんの表情が突然がらりと変わり、君ぃ、なんだねえ、最初にその話をしてくれたまえ、と木久扇さんの話を聞いてくれ、中国の要人に口利きをしてくれたそうです。

結果的には、日本のラーメンを中国で広げたいという木久扇さんの夢は失敗に終わったそうですが、この話は自民党の利権と票という関係を如実に表しています。

参政党があれだけ一般の人々の間に広がりを見せ、多くの人達が街頭演説に詰め掛けたにもかかわらず、全体の組織票から見ればそれはまだまだ小さなムーブメントであったという事のようです。

投票者の大きな部分が利権がらみの票であるならば、やはり普段でも地道な活動を続け、国民の半分を占めた投票所へ行かなかった人達にアピールをすることが急務だと感じました。

行かなかった人達の二割が投票してくれれば、野党の第一党の夢も実現し、四割の人が参政党に投票すれば今の政界の構図はひっくり返ります。

たとえどんな小さな事でも、ひたすら継続することが党の力の源泉になっていくと自分は信じています。





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