外国人労働者の問題について考える その三

そして今、悲惨な状態になっているのは西ヨーロッパの先進国です。

ヨーロッパ諸国から比較的近い地域、中東やアフリカ諸国等の一部の地域で以前から内戦状態の国があり、戦火を逃れるために大量の難民が発生していました。

国で言うとシリアやアフガニスタン、イラク、ソマリア、南スーダンなどです。

そして国連機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、先進国などに対して人道的な見地から、これらの戦争難民を受け入れるよう働きかけて来ました。

あまり知られていませんが、実は難民を一番受け入れている国はトルコで、おそらくそれらの国から地理的に近いという事状や、ドイツ等のヨーロッパへの経由地でもあることから、大量の難民を受け入れているのだろうと思われます。

ヨーロッパ先進諸国の中でも一番難民を受け入れているのはドイツで、先の首相であったメルケルの時に、2015年だけでもに一度に100万人の難民が申請をしています。

彼女はもともと東ドイツ出身で、おそらく左派的な思考から難民の受け入れを決定したのだろうと自分は思っています。
(今は東西ドイツはベルリンの壁の崩壊で統合されていますが、以前、東ドイツはソビエト連邦寄りの共産主義国家でした。)

しかし2016年に、難民申請を却下されたイスラム系住民が、現地のドイツ人を巻き込むテロ事件を起こし(トラックでクリスマスマーケットの人混みに突っ込む)、多数の犠牲者が出てしまいました。

フランスでは更に深刻で、2015年以降、難民を装ったイスラム過激派が国内に紛れ込み、彼等によるテロの犠牲者が、300人近くにも達しています。

そしてイギリスでは、二年前、国民投票でEUからの離脱を正式に決定しましたが(ブレグジット)、その直接的な原因となったのは、EU諸国からの難民受け入れを強要されそうになったこと、さらには隣国であるフランスで、イスラム過激派によるテロ行為が頻発したことに対する反発が直接的な引き金となりました。

確かに人道的な立場や、経済的な意味での労働力の補填というメリットは有るのでしょうが、キリスト教とイスラム教という宗教の違い、人種の違い、そもそも文化的なマインドがあまりにも違う人々が大量に入ってくる事への社会的混乱が、それらの先進国に於いて強烈な対立構造を産み出しているのは厳然たる事実です。

(しかしながら、西欧列強は歴史的に植民地支配による収奪をしてきた訳ですから、言わせてもらえば、因果律の法則で、過去に自分で蒔いた問題の種をいま刈り取っているということだと思うのですが。)
                

ドイツやフランス、イギリス、北欧辺りのあちらの現地に住む、ごく普通のネイティブの人達の声を拾ってみると、誰もの口々に上がっていた事は、とにかく治安が以前に比べて非常にに悪くなったことをあげています。

そして難民が流入することによって、それぞれの国が守ってきた文化的な素養、香りといった独特の「らしさ」が壊されてしまったと嘆く声が多く、まさに憤懣遣る方無しといった感じでした。

彼等のなかのある人々は日本に対してこのように警鐘をならしています、
日本だけは自分たちの国のようにならないで、日本らしさ、独自の文化を守り続けて欲しいと。


続く


コメント

このブログの人気の投稿

わが町の隠れ吉利支丹にまつわる話 その八

わが町の隠れ切利支丹にまつわる話 その十