我が町の隠れ切利支丹にまつわる話 その五
突然お店に入ってきて、自分の事を嘗て隠れ切利支丹だったと霊視した人がみえたその翌日、その日は土曜日の午後の時間帯でした。
祭の最中なので、お客様が入れ替わり立ち替わり何人もみえる、その時間帯にその方は入ってこられました。
その人も中年の女性で、今まで一度もうちの店にはみえたこともない、明らかに一見のお客様で、五十代になるかならないか位のとても品の良さげなマダムといった感じの人でした。
他のお客さまがお店の中に何人かいらっしゃるなか、何かを買うという感じでもなく、スーッと外からお店の中に入って来られ、自分の方へみえたので いらっしゃいませ、と声を掛けると、突然次のようなことを彼女は話し始めました。
私は主人の転勤の関係でで永いあいだパリに住んで居たのですが、今年、やっと日本に帰ってくることになりました。
実はパリに居たときに、奇跡のメダイ教会で頂いたメダイ(小さなペンダントのような物、後述します)が家にあるのですけれども、突然ですが店長さん、そのメダイを貰っていただけませんでしょうか?
そのようなことを見ず知らずのお客様から言われ、少し驚かされましたが、昨日の事もあったので、自分もイエス様やマリア様には少しはご縁があるみたいですから、頂けるのであれば喜んで頂きます、とお伝え致しました。
今迄、自分はいろいろな宗教をやってみえる方や、霊能的な能力のありそうな人達とは何人も関わりがありましたが、はっきり言ってこのような体験は、二十数年間お店を経営している間でただの一度きりの経験でした。
彼女は、一旦家に帰って一時間か二時間したらまたこちらに来ますと話してから帰っていかれました。
しかしその人は、ものの三十分も経つか経たないかしないうちにお店にみえました。
しかも驚きの物を手にして、お店に来られたのでした。
続く
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