ちょっといい話

自分が今勤めている職場での少し前の出来事です。

週に一度、仕事のローテーションで、ある人の介助に入っています。

その日はちょうど土用の丑の日であった為、少し奮発してうなぎでも食べようかという話になり、自分は夕食の買い出しに近くのSK家へ行きました。

メニューを見るとうな牛弁当(うなぎと牛丼が半々)というものがあり、値段も千円弱なのでお手頃感もあり、それを買って帰りました。

山田さん(仮名)はとても楽しみにしていた様で、時間になると何時ものごとくゆっくりと食べ始めました。
(持病の影響で身体の運動機能が弱いのです。)

二十分程かかってやっと左半分の牛丼を食べ、いよいよ楽しみにしていたうなぎの番です。

三分の一も食べれた頃でしょうか? 彼は急にお茶が飲みたくなり、ペットボトルに手を伸ばした瞬間、膝に乗せていたうなぎ弁当を床に落としてしまいました。

せっかく土用の丑で奮発して買ったうなぎでしたが、残念ながら破棄するしかありませんでした。


そして次の週、前回の事が有ったからか、山田さんから今日もうな牛弁当を買ってきて欲しいと頼まれて、また同じ店で購入して部屋へ戻ってきました。

そこでさっそく弁当をビニールの手提げ袋から出したところ、うなぎが滅茶苦茶デカくて思わずびびってしまいました。

通常は半分に牛丼、もう半分のご飯にタレがかかった上にうなぎが一切れ乗っているのですが、うなぎが余りにもデカすぎて牛丼の上に被さっている状態で、彼にそれを見せると彼もビックリしていました。

そこで、山田さん、先週あなた、殆ど食べられずに落としてしまったから、神様がそれを見ていてこんなデカいうなぎをプレゼントしてくれたよ! と話すと彼は幸せそうにニッコリと笑っていました。

彼は本当に繊細でとても優しい人で、ほんのたまに霊的な事を何気無く言ってもスッと心の中に素直に入っていく様な感じがして、この人、昔どこかの宗教でそういったことを学んだんじゃないのだろうか? と思わず思ってしまう様な人なのです。

彼を見ていると、自分には彼が、今の過酷な境遇を自ら選んで生まれてきた様な気がしてなりません。













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