霊媒体質の人々 其の六 ある後輩

何時もの如くお店を開けていると、見慣れない女子高生が入ってきました。


自分が卒業した高校は地元の私立高校ですが、女子の制服が非常に特徴的であったので、彼女の着ている制服から自分の高校の後輩であると直ぐに分かりました。


彼女に、あなた〇高校でしょう? 自分はあなたの高校の先輩だよ、ということを伝えると、彼女も初対面のバリアが解けたのか、それからはいろいろと高校の話等で盛り上がりました。


それ以來、彼女は通学路が学校からバスで駅前まで来るルートなので、学校帰りにちょくちょくお店に顔を出してくれるようになりました。


しばらくしてあるとき、彼女がテストの勉強の話をしていた折に、実は私、霊が見えるんですよということを言い出し、正直この子もか! と思いましたが、それとなく聞いて見るとなかなか大変な話でした。


どちらかというと彼女は、そういった話をあまり人にはしない様な感じでしたが、自分がこのように霊的な素養を持っていることにおそらく感応したのでしょうか、それと彼女自身が幼い頃からそのような特殊な能力があることについて、非常に悩んだのだろうという事が彼女を寡黙にさせたのでしょう。


一体いつ頃から霊を感じるようになったのかは聞いたかもしれませんが、今では失念してしまいました。


しかしお店に来たのが中三か高一位だったので、おそらくは幼い頃から既に見えていたのだろうと思います。


これは世間で有名になった霊能者と言われる人達も皆さんが通る試練で、自分だけそのような霊が見えてしまうということは、物凄い葛藤だと思いますし(しかもそれは不浄仏霊の場合が多い)、それが幼い頃からであればなおさらのことです。


「二人のお坊さん」のブログでお話した、霊が見えて悩んでいる母子の娘の方もまだ小学校に上がる前位の年齢でした。


昔から、草木も眠る丑三つ時という言葉がありますが、やはりそういった時間には霊が出やすいようで、彼女の居た学校は一応進学高でしたので真夜中までテスト勉強をしていると、訳の分からない雑霊達が寄ってくるので、気が散って勉強に集中出来なくて本当に困ると真顔でこぼしていました。


おそらくこれは、肉体的な感覚と霊的な感覚のスイッチのオン、オフのコントロールができないと、見たくなくても見えてしまうのだろうと思われます。


しかしこれも一種の慣れのようなもので、要領を掴んでくればコントロール出来るようになるみたいですが、彼女もまた、駅前のあるメガバンクの横を通ると動物霊というか雑霊が足にまとわり着いて来て、何時もシッシッ、とその都度追い払っていると言っていました(笑)。


ちなみにその銀行の入口直ぐ横には、〇〇城趾跡という碑が立っております。



続く

















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