2023年 統一地方選挙 後半戦を振り返る
統一地方選挙の後半戦の投票が4月23日に行われました。
自分が住んでいる尾張北部西部地域は、参政党の候補者が四つの市議会議員選挙で全員当選を果たしましたが、すぐ北のお隣の岐阜県では、岐阜市を始め五つの選挙区で全員落選という真逆の結果となりました。
そもそも岐阜というところは昔からガチガチの保守王国で、全県区にわたって自民党系の議員が世襲をするか、同じ系列の議員に長年の間地盤を受け継がせてきた土壌があるので、保守以外の勢力が入り込む余地というのがなかなか無い土地柄なのです。
しかもその自民党系の議員に、地場の利権がらみの企業や支持母体がしっかりと付いて集票してくれますので、その牙城を崩すということは至難の技で、全敗してしまったのもある意味仕方がない事なのかもしれません。
今回の選挙を全国的にざっと見てみますと、所謂過疎地域へ行くほどやはり保守系が強く、そこそこの人口を有する地方では浮動票が増えてくるせいか、新参の政党にも票が集まり当選者が増えているという結果となりました。
党派別で検証しますと、保守系では自民党は微増はしたものの安定的に大勝したという感じでは決してなく、結構下位で当選した人達も散見されました。
同じく連立与党の、ガチガチな表読みで固い選挙戦をする公明党も、若干の取りこぼしをしています。
それに対して左派系の野党は、立憲民主党を始め総じて退調傾向でパットせず、お題目のような選挙でのアピールや、まるで中身の無い国会でのピントのずれた論戦、原資のハッキリしない人参ぶら下げ作戦などが流石に有権者にバレバレになってきたのが結果として現れたのではないでしょうか。
それに対して大躍進を遂げたのが維新の会で、今回は倍増以上の激増状態でしたが、特に関西地域では一人勝ちと言っても大袈裟てはない勝ち方でした。
これはやはり、自民党に任せていても安定はしているものの一向に何も変わらないどころか、社会が段々と悪い状態へいってしまっているという暗然とした保守層の不安心理がおそらく作用したのでしょう。
しかし維新も先の府知事選挙で論点となったことなのですが、彼等の手法は昔土建屋であった田中角栄なる人物が用いた政治的な手法と同じようなことを未だにやろうとしており、吉村さんが当選したことによって決定したカジノ構想も果たして将来的にどうなるのかということを考えた場合、自分は一抹の不安を拭い去ることが出来ません。
あんな海をゴミで埋め立てたような建築強度を保てない脆弱な土地にソーラーを作ったり、はたまたカジノを誘致したり、既に出来てしまった新空港もそうですが、何千億もつぎ込んで万が一東南海地震でも来たら一体どうするのでしょうか。
自分がどうしても気になるのは、維新は今回のカジノ構想も同じ構図なのですが、彼等がやってきた事は結果的に外資とがっちり結び付いて彼等を利することになっているというのが本当に懸案される事実なのです。
国民の大切な税金で箱物は作ったわ、利益の大部分は外に抜けていってしまうわでは一体何のためにそこに作ったのかという事ですし、本来であればもっと国内(の企業)に経済が回るような仕組みにしなければ意味がないと思うのです。
まあ結果は結果として、大躍進を遂げた維新の会のお手並み拝見といったところでしょうか。
そして参政党は昨年度、やっと一人の国会議員を参議院に送り出したばかりの新参者政党ですが、今回67人の地方議員を誕生させることが出来ました。
これは十分に大躍進したといえる数字で、保守、中道層の不満を上手く代弁し取り込んだ順当な結果だと言えると思います。
しかしながら今回もまた、統一地方選挙の投票率における長期低落傾向には歯止めが掛からず、半分以上の人達が投票にはいっていないという厳しい現実があります。
しかも地方では無投票の選挙区さえ増えております。
おそらく自分が投票しても何も変わらないからという諦念の気持ちが、ある人達には働いているのでしょう。
もしも本当に投票しても変わらないというのであれば、若い、志を持った人達こそが自ら立候補して社会や政治を少しずつでも変えていくことが出来れば、今の蔓延している閉塞感が必ず明るい未来へと変化していくのではないでしょうか。
当選したいから有利な某政党から出馬するという政治家ならぬ政治屋さんは、これからの時代、ますます減っていくことでしょう。
政治は利権を代弁する手段では決してなく、政治家は主権者たる国民の利益を代弁する実行者であるのがその本分なのですから。
参政党やその他の新人の若い議員さん達には大いに期待していますし、既存の経験豊かな議員さんにも国民の下僕としてしっかりとその役割を果たして頂きたいと願っております。
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