念願の田舎暮らし 中編

田舎暮らしをしたいという方にとっては、それぞれに個人の事情に合わせた理由というものがあります。


彼方此方周ってみて都会から移住されたいろんな方達にお会いしてきましたけれども、やはりそれぞれの方々がそれなりの理由を以て田舎暮らしを選択されていました。


自分の連れ合いの場合においては、元々体質的に過敏症というものがあり、今住んでいるところでは結構頻繁に家のまわりで除草剤を撒いていますし、決定的な要因となったのは家の並びのすぐ両隣で化学的な洗剤や柔軟剤を使っているということが移住せざるを得ないという理由となったのでした。


勿論のこと嫌々ながらそのまま住んでいた訳では有りません。


お隣さんには化学物質過敏症であることをハッキリと伝え、そういった洗剤が使用している本人や環境にもとても悪い影響を及ぼしているということをパンフを渡して直接お話をしに行きましたが、結局止めてもらう事は叶わず、片方の家の人には嫌なら引っ越しされたらどうですかと言われてしまいました。


また家の前の道路側の塀にも掲示板を手作りして、香害や除草剤、農薬を散布することの危険性について啓蒙するポスターを貼って往来する人達にも見てもらっています。


これは連れあいが手描きで作成した手造りのポスターですが、ちょっと字が細かいので読み辛いかもしれませんけれどもなかなか簡潔ながら上手く書けています。


除草剤や農薬を散布している現場を一度でも見られた事がある方はお解りだと思いますが、撒く場合は背中に薬剤の入った大きなタンクを背負って野菜や雑草に直接霧状に噴霧するのです。


当然のことながら散布する時には何かで囲ってある訳ではありませんから、風と共に周りにその劇薬の入った霧状の粒子が拡散されるということになり、連れ合いのような人は部屋のなかに居てもその薬が風に乗ってなかに入ってくるので顔が痒くなって周りで誰かが撒いたという事がわかる訳です。


合成洗剤も同じ様な原理で、あの香りは石油から化学的につくられてナノ化された極小なカプセルに入っており、それが空気中を飛来して来ることになりますし、どのお宅でも洗濯は結構頻繁にするうえそういった洗剤で洗った衣類は強烈な化学的な匂いが繊維に附着してしまってなかなか匂いが取れないため、その様な服を着て移動すると周りに香りを撒き散らす事になるので非常に始末が悪い訳です。


いろんな所を巡ってみてそういった過敏症の人達にお会いしましたけれども、連れあいよりも遥かに重篤な症状がある人が何人もみえたということにはいささか驚かされました。


その様な方達は決して大袈裟な話ではなく、合成洗剤の使用を周りで止めてもらわなければポツンと一軒家のような環境でしか生きられないと思われます。


昨今のTVでは、大手メーカーが普通にそういった洗剤のテレビCMをあたかも良い香りであるかのようにゴールデンタイムでたれ流していますので、その様な洗剤が規制される迄の道程は非常に厳しいものがありますけれども、そういった事実があるということをわかった方々から健康や環境の面からも化学的な合成洗剤や柔軟剤の使用をやめるべきだと個人的には思うのですが如何でしょうか?


(ネットを検索すれば、そういった商品を天然由来の代替え品で洗濯する方法は沢山出てきますので、是非ともやってみて下さい。
家でも実践していますが、たいしてコストも掛かりませんし、汚れや汗の匂いが落ちないということも決して有りません。
これは過敏症の方達への配慮ということだけではなく、ご自身の健康のためやひいては地球環境への配慮でもあるのです。)


次回いよいよ最終です、お楽しみに。













コメント

このブログの人気の投稿

わが町の隠れ吉利支丹にまつわる話 その八

わが町の隠れ切利支丹にまつわる話 その十