空き家バンク 過疎地をまわって思ったこと 六  エピローグ

さていよいよこのトピックも締めに入ろうと思います。


前回お話した通り関東や中京圏、京阪神といった人口密集地域では、社会生活を営む上において人との関係性が濃かろうが薄かろうがあまりにも人が多過ぎますので、それなりに遣り過していても生きていけるのでしょうが、過疎地ではその様な訳にはいきません。


過疎地はそもそも人が殆ど居りませんので、出会ったら相手にも自分のことは覚えられますし、自分もその人のことを記憶するということになります。


つまりこれはどういう事かと言いますと、人との関係性が密にならざるを得ないということなのです。


もしもある地域へ自分達が移住したとしますと、恐らく確実にあっと言う間にその地域の人達に知れ渡るという事になるでしょう。


さてここで一つ問題提起をしましょう。


福井県と岐阜県の県境の山間部に池田町という過疎の地域がありますが、その池田町の広報誌に掲載された移住者への提言「池田暮らしの七か条」が物議を醸しました。


ここではその全てを書くことは控えますが、その七か条の一部に上から目線とも取られても仕方が無い様な表現がされており、まあハッキリと言ってしまえば「郷に入れば郷に従え」といった内容が羅列されているのですね。


それに対してその提言を見た人達のなかには、内容のきつい文言から田舎の排他的な閉鎖性を如実に示すものだとして反発をしている方達もみえました。


しかしそもそもこの提言の発端となったのは、地域の区長から移住者が地域の共同作業に賛同しない、関わることを拒否したという相談が有ったことからこの様な提言を作成することとなったのだそうです。


これはまた別の地域の話ですが、ある移住者が地元の消防団に入るのを断った事を発端として段々と嫌がらせをされるようになり、その人の畑に除草剤を撒かれて作物が全滅させられるという事件がおきています。


この様なトラブルは残念ながら大なり小なり時に各地で起こっていることなのです


自分は今は都会といわれるところに住んでは居ますけれども、彼方此方の過疎地を周った経験から言わせて頂きますと、人があまり居ない地域ではやはりお互いが協力しないとやっていけない部分というものがありますし、その様な地域ではある程度の制約は生きて行く上で仕方が無い事なのですね。


それは明らかに都会の希薄な人間関係とは違った部分であり、たとえどの過疎地へ行こうともある程度は考慮しなければいけない事だと思うのです。


過疎地に移住する人達は、それぞれが千差万別のいろいろな思いをもって移住しようということを決意されるのでしょうし、その目的や理想とするところも十人十色で皆さんが其々の思いで移住先を探されるのだろうと思います。


少し話は変わりますが、すべての魂はそれぞれに癖性分というものがあり、当然のことながら相性というものがあって、運が悪いと不倶戴天の敵に出食わすということも決して有り得ない訳では有りません。
(実の姉はたとえどんな人とも合わせられるということを以前自分に豪語していましたが、その様な人は本当に稀な話で、大抵の方はこの人はどうも自分とは合わない、苦手だという人がどなたにもおられる事と思います。
これはですね、実は魂の過去世にも関わるような話でして、初めて会ったのにも関わらずどうもコイツは虫が好かん、何だかむかつくという人は、過去世の因縁が作用しているか、お互いに憑いている背後霊同士が闘っているという嘘のような話も実はあるのですね。)


ですから人の世も結局は同じ様な話でして、実際にはやりにくそうな過疎地であっても合う人には合うでしょうし、移住した先が運が悪いと裏にハマるということにもなるのでしょう。


そこで大切なのはその人のインスピレーションですね。


自分や連れ合いはそういったインスピレーションが結構ありますけれども、災害的な意味でここはちょっと難しいと思ったところ以外は彼方此方周った地域はそれぞれに良いところがありましたし、素晴らしい人達も沢山居られました。


インスピレーションが人の決断にとても大切であるというのは、その人にとって将来の悪い状況が回避できる可能性が高まるということなのです。
(それは我々の人生は、半分は霊的にも生きているという事の査証でもあるのですが)


これからの時代、ますます都市部から過疎地域への移住は加速していく事でしょうし、将来的にそうならざるを得ない状況にもなっていくことでしょう。


最後になりますが移住をお考えの方に一つだけお伝えしたいのは、都会の価値感を過疎地の人達に押し付けるということだけは決してなさらない様にしてください。


都会ではこうだったという言い方は「禁句」ですよ、それは軋轢や反発を招くだけです。
















































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