念願の田舎暮らし 後編 エピローグ

今現在都会にお住いの方にとっては家の周りで獣などを見るということは無いでしょうから(せいぜい野良猫ぐらい?)、今回の冒頭のお話はあまりピンとこない話かもしれません。


しかし今自分が住んでいるこの濃尾平野の、全く山もたいした森もない様な平坦な人口三十八万の都市でも、テン等の小動物はたまに見掛けますし、こんな所でとちょっとビックリしましたが過去に野生の狸を二度程見たこともあります。


ですから少しでも岐阜の山間部の方へ行けば、狸や狐はともかく野生の猪や猿、鹿などは人里のごく身近に普通に生息しているのですね。


いろいろと過疎地を彼方此方巡ってみて、何処の地域でも判を押したように現地の人から言われていた事がありまして、それは田畑の耕作地の鳥獣被害のことについてです。


岐阜県の八百津町というところにお邪魔したおり、名古屋から移住されて現在は八百津にお住まいの後藤香代里さんという町会議員をされている方に町内を案内して頂いたのですが(彼女は公人でありますので今回名前を出させて頂きました)、八百津という所も獣害被害が酷く畑の作物も結構頻繁に食べられてしまうというお話をされていました。


彼女は現地で非常にユニークな地元に根差した活動やイベントなどを定期的に主催なさっており、個人的には八百津という所は自然と街のバランスが非常にとれた良い地方だと思いますので、移住をお考えの方やもしもこのブログの読者でにお近くにお住まいの方がみえましたら一度SNS等で調べたり繋がってみては如何でしょうか。


この鳥獣の被害はなかなか難しいお話でして、田舎暮らしをしたいという方のなかには自然が好きだからそういった環境で住んだり子育てをしたいという方が結構みえましたけれども、田舎で農業をやりたいという方もまた一方で沢山みえる訳です。


一口に農業といっても自然農と自然農法では厳密に言えば違いますし、わざわざ田舎迄行って農薬や化学肥料をバンバン使うような人はあまり居りませんから、環境にも優しい農法を実践する人達とはいえそれを生業にする方達にとっては、せっかく作った作物を殆ど食べられてしまっては非常に困った事になる訳です。


こういった獣害の対策として地方の各自治体ではいろいろな対策を講じて試行錯誤をされているようですが、今回購入したところも三百坪程の土地があり、恐らく畑を作ったり果樹を植えたり、花やハーブを植えるということをすると思います。


まあしかし獣や鳥達も生きていかなければならない訳ですから、ある程度は作物や木の実を食べられるのは自然の摂理から言って良しとしなければならないとは思います、でももしも育てた作物が全滅を食らってしまった場合はどうしましょうか、まあその時には諦めて全て花畑にでもしましょうか(笑)。


さて、そろそろこのトピックも締めようと思いますので、最後に何点か都会と田舎の違いをお話させて下さい。


よくよく考えれば当たり前の事ですが、これは実際に田舎へ行ってみて本当にビックリしました、田舎には飲食店という存在自体がが殆どありません!(街の目線ですが)


地元の皆さんはそもそもお店が無いので外食は殆どされずに食事は家で毎日食べられるということになるのでしょうが、その地区では小さなスーパーも一軒しかありませんでしたので、食材をいろいろと選べるという選択肢も都会のようにはいきません。


ですから必然的な帰結として地元で採れた野菜中心の健康的な食事を摂るという食生活になり、外食も殆どせずということになれば、食費はあまり掛からずエンゲル係数は爆下がりするという話にになるのでしょう。


しかも炉端焼やバー、スナックといった類のお店も殆ど有りませんから、仕事終わりにちょっと一杯というのが楽しみな方は田舎には向いていないと思いますし、コンビニや酒屋自体がほぼ無いので酒を買う機会も減り酒を飲む量もおそらくはどうしたって減るのではないでしょうか。


結果として食事や酒量の面から言えば、田舎暮らしをするという事は、都会に比べてとても健康的な暮らし向きになるという事でもあるのです。


そしてもう一つ、都会と田舎の決定的な違いは、それぞれ流れている時間軸が全く違うということです。


田舎では全ての物事がゆっくりと流れて往きます。


何故かというと、田舎ではセカセカしないといけないような事は殆ど何も起こらないからですが、それはある意味自然とともにゆったりと生きられるということでもあります。


都会の雑踏の中で仕事や対人関係のストレスを抱えてみえる方こそ、田舎の生活というものを一度民泊等で疑似体験してみられては如何でしょうか?


自然のなかに包まれて生きればきっと葛藤や孤独を癒やしてくれる事でしょう。



終わり
















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