「ゴジラ ー1・0」を観た日本人としての感想

12月1日に満を持して「ゴジラー1.0」が全米で公開されましたが、週末迄の初週の外国映画の興行収入記録を塗り替え、更には一時的に並みいるアメリカ映画の興収を抜き去るという大ヒットとなりました。


前回のゴジラ映画「シン・ゴジラ」がアメリカでは今ひとつ観客動員、興業収益ともにパッとしなかったので、今回は上映館も然程多くはありませんでしたけれども、今回は大ヒットになったことと、同時期に上映されたアメリカ映画の「ザ・マーベルズ」がディズニーMCU史上最悪の興収で大爆死した為にその穴を埋める様に上映日数も延期され、更には上映館も拡大されるというオマケまでつきました。


更にはその翌週に宮崎駿の十年ぶりの長編アニメ作品「君たちはどう生きるか」(「THE BOY AND THE HERON」)が封切られ、上位三作品のうち二作品が一位と三位を独占するという快挙を成し遂げました。


これには明快な理由がありまして、アメリカの特に民主党と殆どのマスコミやネット媒体、更には映画界や芸能界までもが実はグローバリスト側の巣窟なのが現状でして、SDGSやポリコレを押し付けるような映画を作っては勝手にコケまくっているので、それらの価値観のアンチテーゼとしての日本映画が取って代わる様に脚光を浴びたという事が大きな要素でもあったのではないかと自分は考えています。


今回、ウォルト・ディズニーの創立100周年を記念してつくられた「ウィッシュ」も本国やその他の国ではとてもヒットしたとは言えない状態で、制作費の2億ドルも果たして元を取れるかどうか非常に危うい事になっています。


この映画の場合もまたグローバリスト達の押しつけという流れのなか、多くのアメリカ人が嫌気が差した結果なのだと言えるでしょう。
(ちなみに「ウィッシュ」の主人公の少女もやはりカラードです)


自分は今回、「ゴジラー1・0」についてアメリカのTikTokやXのコメント、YouTubeの映画評などをいろいろチェックしましたけれども、殆どのコメントがまさに絶賛の嵐状態でネガティブなコメントは皆無と言って良い位に全く見当りませんでした。


またアメリカの映画評論サイトのロッテントマトでは、批評家、一般共に98%という高い評価を得ており、批評家と一般のどちらからも高評価を得るということは極めて異例なことなのだそうです。


という訳で、コメントを見ているうちに居ても立ってもいられなくなり、期待に胸を膨らませながら観てきました。


このブログの読者の方には未だご覧になられていない方も沢山いらっしゃると思いますので、ネタバレしない程度にお話を進めます。


正直言ってこの映画は今まで自分が観てきた映画鑑賞史上ではトップクラスといえる最高の映画でした。


本当にお話したいことはいろいろあるのですけれども、とにかくエンターテイメントとしてどの部分を切りとっても本当に素晴らしい。


また日本人として考えさせられる部分が多分にあるという意味において、とても深い描写をこの映画は内包しています。


また日本人の魂の琴線に触れる様な物語の場面が登場人物達の生き様のなかに散りばめられているのです。


自分は断っておきますが決してゴジラや怪獣映画のオタクではありませんし、ゴジラに対して特段の思い入れがある訳でも有りません。


この映画はタイトルこそ「ゴジラ」という名前を冠しておりますけれども、実は戦中、戦後の日本の歴史を通して、戦争の愚かさというものを人物像のなかに克明に織り込んでいるというストーリーを辿っておりますが、本来主役である筈のゴジラもまた実は主役などではなくて戦争という悪魔に踊らされた犠牲者であったという事が言えると思うのです。


神の摂理(自然)に逆らった人間のエゴ、傲慢さがゴジラという怪物をつくりだし、神の化身であるかのようなゴジラにまるで因果律のように我々は蹂躙されその報いを受けるのです(ネタばれスレスレですみません)。


日本の侍の魂に刻まれた恥と栄誉、許し、日本人の生き様、調和と団結、ゴジラというある意味自然の脅威ともいえるものの中にさえも神性を見出す霊的な価値観等々、今日本人としての魂を経験させて頂いている自分としては、映画の様々な場面で本当に日本人として生きていて良かったと何度も共感を覚えましたし、涙でスクリーンがかすんでしまうことも度々ありました。


アメリカでの絶賛のコメントの数々は、彼等のその想いのうちに日本人の霊性に対する畏敬の念と敬意というものが含まれていた故の帰結だと思うのです。


さて、年明けの一月十二日より「ゴジラー1・0」のモノクロ版が上映されることとなりました。


この白黒映画は1956年に上映された初代ゴジラのトリビュートでもあるのですが、色が簡素化されたことにより濃淡がより鮮明になりますので、ゴジラの恐ろしさをより際立たせることになるでしょう。


自分はこの映画を既に二回観ましたが、どうやら人生初の同じ映画を三度観るという事になりそうです。


未だご覧になっておられない方はお近くの劇場へ行かれて、是非ともあの臨場感を大きなスクリーンで体感なさって下さい。


伊福部昭氏のあの有名なゴジラのテーマ音楽、あれを聴くだけでも十分に劇場へ通う価値はあります、まさに鳥肌モノですよ!



























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