日本のトイレ事情について考える

皆さんのお住いの地域には、いまだにちり紙交換車が来たりしていますか?


「毎度お馴染み、ちり紙交換車でございます。
ご家庭にある古新聞、古雑誌、衣服、ボロ切れ等御座いませんでしょうか?
お声を掛けて頂ければ玄関まで伺いちり紙と交換致します。」と、アナウンスして周ってくるリサイクルの巡回車のことです。
(最近では古紙プラスその他のリサイクル品も回収している様ですが)


しかしちり紙交換と言いつつ、実際に交換して貰えるのは以前からトイレットペーパーでして、本来ならばちり紙交換では無くて「トイレットペーパー交換車」と言わねばなりません。


さて話は少し変わりますが、岐阜の白川町に購入した家が汲み取り式であったので、町から補助金も補填して頂けるということでこの機会に浄化槽のトイレに変えることになりました。


そこで普通の選択であれば洋式トイレにするというのが殆どの場合なのでしょうけれども、連れ合いは施工業者に絶対に和式トイレにして欲しいという話をして、実はちょっと揉めたのですね。


というのは自分は箸も使えないし習字も書けない、小学校の秋の文化祭にはまるで外人が書いたようなヘタクソな象形文字の様な習字を張り出されて、何度も肩身が狭い思いをしてきた経験があるのです。


昨今では海外からの観光客がまた激増してきましてコ○○前の水準に戻り、日本は旅行に関する諸々の調査でもトップクラスの人気のある国になっていますけれども、外国人が日本へ来て唯一恐怖するのが、彼等の呼び名でスクワットトイレ、所謂和式トイレなのです。


かくいう自分も和式トイレは全く使えないと言っても良い位に不得意としており、片手を何処かに掴まっていないと手を離そうものなら後ろへ転がってしまうのですね。


しかももう片方の手だけではロールのトイレットペーパーが上手く切れ無いのです。


ですから不便極まりないですし、中年以下の人達は殆ど家庭でも洋式トイレしか知らない人が多いので、そういった来客の人が来た時にはいったいどうするのかと少し揉めたのです。


しかしながら彼女の話をよくよく聞くと確かにさも有りなんと納得できることも沢山あり、まず座るよりしゃがんだ方が圧倒的に便が出易いこと、そしてスムーズに出るので痔にもなりにくい、また昔の日本人は和式トイレを常用していたので膝や足腰がとても丈夫であったという話でして、整体的に見ても和式トイレはとても日本人の理にかなっているという話でした。


力学的に考えても下半身に力が入っていますので、尿や便が出易いのでしょう。


まあですから一日で反対意見を撤回することとなり、よくよく考えれば大正時代の古い家ですし、内装のインテリアの点から考えても和式のほうが絶対に全体的な雰囲気に合ってるということで(自分は以前にそういった仕事をしていたのです)、凝り性の自分としては直ぐに納得致しました。


そこで、ペーパーはロールでは自分が使えないし雰囲気がぶち壊しになりますので、せっかく和式にするのならこだわってちり紙をトイレに設置すると言うと彼女もすんなりと納得してくれました。


昨日のこと、白川町へ持って行くちり紙を購入するために出掛けましたけれども、とにかく何処にも無い、行きつけのスーパーにも無い、隣のドラッグストアにも無い、大きなホームセンターへ行ってもロールペーパーばかりズラリと棚に並んでいて肝心のちり紙が置いてない!


途方に暮れていると彼女が急に、以前行ったドラッグストアーに置いてあった気がする、と言い出したのでそこ迄出掛けると、ズラリと並んだトイレットペーパーの端っこにひっそりと一種類だけ置いて有りました!!


喜び勇んで如何にもレトロな「白馬車」という商品を購入してきました。


まあ都会でも京都のような寺社の多いところや田舎へ行けば普通に売られているのかもしれませんが、よくよく考えれば当然の事なのですが普通の都市部では需要自体がないので探しても殆ど売られていないのですね。


こうやって古から受け継いだ文化というものは、時代とともに段々と移ろいゆくものなのですね。


しかし連れあいが言うには、整体的に見ても和式のほうが絶対的に理にかなっているし身体にとっても良いという事を力説していましたし、和式トイレが日本で無くなってきたのはGHQの陰謀ではないかとまで言っておりました(笑)。


果たして自分は十年後にちり紙を手に入れる事が出来るのか?  


自分には確信は有りません。



















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