日本のトイレ事情について考える 世界から見た日本のトイレ

以前に生業にしていました仕事の関係で、東南アジアへはいろいろな国へ出掛けて行きました。

当時自分が現地で利用していたホテルは、バックパッカーが泊まるような格安のゲストハウスなどでは無くてごく普通のホテルでしたので、トイレはそこそこキレイな所が殆どでした。


しかしたとえ同じ国であっても、地方や田舎の方へ行くと話は全く変わってきます。


インドネシアの本島、ジョグジャカルタから車で4時間程行ったところに沢山の家具の製造工場が集まった工業団地のような場所が有り、そこまで行く途中にチーク材の古木を利用した家具の工場がありましたので視察の為に立ち寄りました。


都会のホテル以外での田舎のトイレ事情があまり良くないのはあらかじめ知っておりましたので、途中で寄ったファーストフードのお店などでトイレはなるべく済ますようにはしていましたけれども、そこの家具工場のトイレには閉口させられました。


そこの工場に着いて暫くしてから、トイレを借りようと近くに居た従業員の人に尋ねてトイレまで案内してもらったのですが、いざ利用しようとしたら紙がないのですね。


そこでもう一度その人に聞きに行くと何やらジェスチャーで横にあった貯水槽を指差すのです。


よくよく見るとすぐ隣に桶が置いてあり、どうやら手と水を使って用を足せという事の様で、これは流石に自分には無理だと観念し、ガイドに頼んで近くのトイレのある所まで連れて行ってもらいました。


日本人の感覚ではトイレの紙は柔らかいと相場が決まっておりますが、世界的に見るとそんな上質な紙を使っている国は実はあまり無いのです。


それどころか途上国では未だに葉っぱで拭いたり手を使ったりということが当たり前の国も有って、インドの下層階級の人達は屋外で用を足したりしていますし、トイレットペーパーは言わば彼らにとっては高級品なのですね。


お隣の中国や韓国も以前は結構酷くて、自分の知り合いの商社の人は中国の奥地へ藤の籠を買付に行った折、現地のトイレがあまりにも酷くて(ここで書くのがはばかられるほど酷い状態でした)本当に苦労したという事を話していましたし、中国のトイレがやっとキレイになってきたのはオリンピックが開催される前に国がトイレを整備する様になってから以降の事なのです。
(しかし今でも奥地へ行けば結構酷いと思います)


お隣の韓国でも、管が細いのか排水が詰まってしまうので未だに使用したトイレの紙を流すことが出来ないところも有る位です。


これは先進国の人達でも総じて同じで、彼等が日本に来て本当に驚くのは公共トイレが非常に清潔で綺麗、しかも洗浄器付便座やハイテクな装置までついていることに感嘆する人達が殆どだということです。


ヨーロッパやアメリカにはそもそも洗浄器付便座という物がありませんし、一旦外へ出ると公衆トイレもあまり無く、有っても有料で更に汚い場合が多いのですね。
(普及しないのには理由がありまして、その一つは海外は日本と違って硬水の場合が多いのでバイブのノズルが詰まってしまい故障しやすいということがあります)


以前に「トイレの神様」という歌が大ヒットを飛ばして歌手の植村花菜さんは紅白にも出場しましたけれども、この日本という国は不浄なるものこそ綺麗にしてそこに神性を見出すという世界に比類のない精神文化があり、この事は実は日本人の霊性の高さを物語っている一面でもあるのです。


ですから日本へ来た観光客はトイレの綺麗さに驚き、そのハイテクさ故の快適さにやみつきになってしまい、土産で国へ持ち帰ったり現地でネットなどで購入したりする人達が増えているのです。


ヨーロッパでは緯度的に寒い国が多いので、便座が温かいという事だけでも南欧以外のヨーロッパ人は本当に感動するのです!


これはほぼすべての人が絶賛しています。


ただ最後に言わせて頂くと、肛門科の専門医の見解を何かで読んだことがあり、洗浄器の使い過ぎ、特に強い水圧を好む人は痔に為りやすく、更に直腸は粘膜であるので不特定の人が利用する公衆トイレなどでは感染症に罹るリスクがあるということが書かれておりました。


やはりそういった点では、ウォシュレットを使えない和式トイレが実は最強なのかもしれません(笑)。


追伸
我が家では越してきた当初から洋式トイレ(洗浄器無し)で、移住先では和式トイレとなりましたので、将来比較した感想をトピックにあげようと思います、どうぞお楽しみに。










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