夢について考える その三 中世ヨーロッパの偉大な霊能者

さて、今回の章を始めるにあたって、前回登場したスウェーデンボルグのことについてもう少しだけお話をさせて下さい。


彼が霊界についての書物を書くようになったのは、人生も後半を過ぎた55歳になってからだと言われていますが、実は彼は幼少期から霊を感じたりしていたのではないかということを彼の両親は身近で感じており、母親はそれを非常に不気味がって困惑していたそうです。


やはり多くの霊能者と言われる人達と同じように、突然に霊能が目覚めたのではなく、彼には特殊な霊的素養が生まれながらに備わっていたのでしょう。


それが、何故55歳になってから霊界や霊的な摂理についての書物を書き出したのかと言うと、彼が50代のある時、突然彼の前に高次元の霊存在が現れて(後にイエス・キリストも彼の前に顕現しています)霊的真実を伝える役目を命じられ、その衝撃的な出来事以来彼の霊界探訪の日々が始まったのです。


当時のスウェーデンやヨーロッパのキリスト教は、本来の教えにはなかった考えが多く入り込んで歪んでおり、とても腐敗した状況でした。


(これは、当時のキリスト教だけに限ったことで無くとも、新興宗教といわれる宗教のなかにも、最初の教祖の教えが身内等の人のかかかわりを経ることによってだんだんと形骸化し、そこに醜い利権のようなものが生まれてさらに腐敗していくという様な例が沢山みられます。)


彼は神の導きにより、当時のキリスト教の教義を正しく解釈し直して人々に示したのですけれども、霊界の様相についての記述もそれを補完する為の一環であったと思われます。


言い方を変えれば、そもそも霊界は我々の心のうちに厳然と在る訳ですから、霊的な摂理と宗教というものは全く別のものでは無く、その存在意義は同義的に多くの部分で重なっている訳です。


彼の霊的な著書の数々やキリスト教の教義の再定義については、当時のキリスト教会からは非常に強いバッシングを受けたものの、幸い彼は異端者として罰せられる事を免れることが出来ました。

それには二つの理由があり、一つは当時のスウェーデン王室の女王、ウイーゼ・ウルリーケの庇護があった為に強力な教会の権力の行使を免れることが出来たのです。


当時、スウェーデンボルグは偉大な霊能者としてその名が世間に良く知られていましたけれども、当然のことながら女王にもその噂は耳に入っておりました。


彼女はスウェーデンボルグを王宮へ召しだす数年前に死亡した自身の弟、アウグスト・ヴィルヘルムに手紙を送っているのですが、結局彼が亡くなってしまった為にその手紙の返事は彼女に届くことはありませんでした。


女王は、弟が最後に何を考えていたのかをどうしても知りたかったので、霊能者として評判の高かったスウェーデンボルグを王宮へ召し出したのです。


その降霊の場に同席した人物によると、スウェーデンボルグは、弟が最後の手紙に返事を出せなかったことを詫びるとともに、女王にだけその手紙の返事の内容を伝えたそうですが、彼の降霊の口から出た言葉が、女王と彼女の弟以外には誰も知り得ない事であったのを彼女は大変に驚き、この人物は本当の霊能者であり信ずるに足ると者であると確信したのです。


ですから、当時のヨーロッパ社会で絶大な権力をもっていたキリスト教会のバッシングがあろうとも、女王はスウェーデンボルグのことを守り通したのです。


もう一つには、スウェーデンボルグが霊的な素養を発揮する以前から彼は既にヨーロッパ中にその名が知られた偉大な科学者でした。

彼の科学者としての功績は、幾何学、天文学、機械工学、鉱物、地質学、物理化学、冶金学などにとどまらず、解剖学や生理学、果ては哲学などの思想家としての素養も備わっており、それに神学、人智学などが加わる訳ですから、彼はとてつもない知の巨人であるとともに偉大な霊能者でもあった訳です。

 

たとえ彼に如何なる功績や名声が有ろうとも、まあ、キリスト教会側からすれば、彼等のキリスト教の教義とは全く違った解釈や霊的な摂理、霊界の実相を突然世間に語り出した訳ですから、彼等にとっては保身的な意味でも非常に都合が悪かったのでしょう。


最後に、彼は意識が覚醒した状態で霊界を幻視していた様ですが、実はそれ以外にも幽体離脱や意識下の夢のかたちで霊界と繋がって霊界を探訪していたのではないかと自分は考えています。


この件について、もしもどなたか詳しくご存じの方がみえましたらどうかお知らせ下さい。


エマニュエル・スウェーデンボルグについては、残念ながら彼の書物は未だ自分は読んではいませんけれども、彼のイメージから感じ取れることは、恐らく自分が認識している霊的な摂理とはほぼ同じなのではないかと考えております。


近い将来、もしも彼の書物を手に取るようなことが有れば、その時にはトピックを立ててて皆さんにシェアしたいと思います。


今回は、前回のお話の続きとなってしまいましたけれども、なるべく早めに夢についてのお話をお伝えしますのでどうか皆さんお楽しみに。





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