自民党総裁選について考える 前編

(今回は別版として日本の政治のトピックを載せますが、なるべく簡潔に切り上げますのでどうかお付き合い下さい。)


岸田さんが、あまりの不人気で選挙では看板として戦えないということをご自身がやっと自覚されたのか、総理の座を降りるという事になり、次の総裁選に向けて何名かの方が名乗りを上げてみえる様です。


しかしながら今回のパターンは自民党が毎回の如く行なってきた常套手段でして、人気が無くなると看板を付け替えて、さあ、自民党は新しい党に生まれ変わりましたよとばかりに世間に対してアピールをし、新しい党首のご祝儀相場でまた浮揚を図るというお決まりのお話なのです。


そもそも自民党というのは、この日本で殆ど下野することも無く政権与党の座を長年の間維持し続けてきた訳ですけれども、その理由はしっかりとした集票システムというものが構築されており、それがうまく機能してきたなればこそなのですよ。


このブログの読者の方は御存知の通り、つれあいが昨年末、岐阜県の山間部へ移住しましたけれども、そちらへ行ってみてとても驚いたことが一つあります。


岐阜県に限らずいわゆる過疎地域というところは、そもそも産業というか、働く環境が殆ど整っていないのですね。(簡単に言うと職が無いのです)


ですから移住先で本当にやたらと目に着くのは、インフラ関係の会社やいわゆる建築関係全般の企業なのです。


そういった企業群や病院などの地元の医師会、それから農協と密接に繋がった一般の普通に農薬や化学肥料を使用する農家さん達をしっかりと把握して、集票マシーンとして構築し地方を牛耳ってきたのはまさに自民党なのです。


ですから岐阜県では、国会から地方の市町村会に至るまで自民党系の保守系議員が圧倒的多数派であり、過疎が問題となっているような地方の県の場合は殆ど同じ様な政治的力関係になっているのですね。


愛知県の感覚から見ていると、野党系の議員があの雰囲気のなかで当選するというのは、本当にほぼ不可能に近い感じなのです。


無所属で、ご本人が政治家としての資質を前面に押し出している方は別なのでしょうが、国会や県会レベルでは基礎票がどれだけあるかが問題になりますのでやはり無理と言わざるを得ないでしょう。


ですからたとえ看板を付け替えたからといって、集票マシーンとしてのお互いの利権や金権体質が変わらないのであれば、本当に自民党は変わったとは言えないのです。


毎度の事なのですが、結局は同じことの繰り返しとなっているのですね。


さて、ここで実際に立候補された方達をみていきましょうか。


まず、茂木敏充さんは当選回数や実績からすると一番総理に近い存在と言えるのかもしれません。


確かに彼は非常に頭も切れて、政治家としての資質に於いて優れた部分があるのは事実なのでしょうが、彼の欠点はとても短気で瞬間湯沸し器というあだ名をつけられており、人に対しては厳しいところがある為に、官僚の間では「茂木敏充専用マニュアル」なるものがあるそうです。


人に厳しいというのは、おそらく人望的にもあまり芳しくは無いのでしょう。


彼は竹下亘さん亡き後、竹下派を引き継いで派閥の領袖となりましたが、前任の岸田さんとはあまり変わらない雰囲気がプンプンするのですよね。


政治資金問題でもこれ迄結構やり玉に挙げられていますし、如何にも自民党体質そのものという感じの人ですから、あまり革新的なことをやってくれるという期待感は感じられませんし、今迄の自民党政治を踏襲するような面白みに欠けた政権運営をする様な気がするのです。


小泉進次郎さん、この人については正直なところあまり言及することはありませんが、進次郎さん押しの方に一つだけ言っておきたい事があります。


政治家たる者は、当然ながら芸能人などではありませんので、見た目の良し悪しなどという部分は本来の政治家としての資質とは全く関係がなく、本人の政治家としての技量や信条、利己の為ではなくどれだけ公に奉ずる気持ちがあるのかといったところで図られるべきだと思うのですが、彼の人気を支えているのはあまりにもその外的要因によるところが大きいのですよね。


これはハッキリと申し上げますが、彼のことを上記の理由で支持している特に女性の有権者側にも問題があります。


ただ一つだけ彼のためにポジティブなお話をするならば、彼は三代続いた政治家の家系に生まれていますので、政治家としての資質や遺伝子を受け継いでいる可能性が確かにあるのですよね。


彼が今回の総裁選に出馬するとなれば世間的には非常に人気がありますから、当然勝ち馬に乗る議員達も結構出てくるでしょう、ある程度の集票は望めるとは思われます。


しかしながら如何にも未だ若輩の感は否めず、今回は顔見せ程度にしておいて、政治家としての資質に更に磨きを掛けて捲土重来を期したほうが彼のキャリアのためには良いと思うのですよ。


まあ自民党の事ですから、選挙に勝つためには彼を神輿に担ぐということをやりかねませんけれども、彼が例えばプーチンやトランプ、金正恩達といった曲者等と外交的にやり合うなどというようなイメージは、幾ら日本の官僚が優秀であったとしてもなかなか有り得ないと思いますし、官僚達がそこまでフォローすることも出来ないと思うのです。


セクシーなどと訳の分からないことを曰わっているうちはまだまだで、彼はさらに政治家としての研鑽を積むべきでしょう。



続きます。


 





















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