衆議院選挙後の政治動向について考察する その四 維新の会、共産党の退潮とれいわ新選組の躍進

日本維新の会については、前回の選挙ではまるでブームのような大躍進を遂げましたが、先の衆議院選挙ではその勢いは完全にブレーキが掛かってしまった感じでした。


議席数も一割以上減らして38議席に後退しましたし、特に顕著なのは比例の得票率がマイナス296万票(36.8%減)の596万票に激減した事が、維新の会の退潮傾向ををハッキリと示しています。


維新の会について正直に言わせて頂ければ、前回はひょっとしたら全国区になっていくのではないかという勢いがあったものの、今回は完全に関西、特に大阪だけの「ワテらの政党」の代弁者レベル迄縮小してしまった感じです。


それを如実に示すのは大阪小選挙区で、19ある選挙区を維新が全て独占したということからも、如何に地元では熱狂的に受け入れられているかということが伺えます。


しかし、自分はそれで良いと思うのですよ。


維新の会は、大阪府民の圧倒的な支持を受けた大阪府民の為の政党であるということで生きていけば良いのではないでしょうか?


正直言って、彼等が関西でいろいろと行ってきた紐付き事業の利権体質は、自民党と殆ど変わらないと自分は認識しているのですが、大阪府民がそれを是として強く支持しているのであれば、他府県民である自分がとやかく言う事でもありません。


日本共産党については、小林旭の歌のタイトルに「昔の名前で出ています」という曲がありましたが、ソ連や中国が隆盛を誇っていた何十年も前の時代なら未だしも、共産主義というものが理想とは裏腹に全く本来の姿として機能しないということが彼の国達によって証明されてしまった訳ですから、今更共産党? という認識が一般の人達の共通項なのではないでしょうか?


ですから今回の、二割減の8議席という退潮傾向も、上記の理由を裏付ける当然の結果となった訳です。


その立場に取って代わったのが「れいわ新選組」で、今回はとうとう議席数を共産党と逆転して9議席(改選前は3議席)を得るという大躍進を遂げましたね。(因みに比例区の得票も72%アップの大幅増でした)


これは完全に、本来の共産党に入れていた浮動票をれいわさんが取り込んだ形となりました。


れいわ新選組の代表である山本太郎氏について内観すると、彼はとても誠実な魂を持ち合わせていまして、彼については個人的にはとても好印象を抱いているのですけれども、如何せん彼が政治家として最初に師事した連中が、学生運動の活動家達であった事がどうしても自分には引っ掛るのですよ。
(学生運動のいろんなセクトの極左連中が、当時如何に滅茶苦茶なことをやっていたのかという事実を、自分はリアルタイムで知っていますからね)


れいわさんの支持母体は、どちらかと言えば社会的弱者と言われる人達が主な層ですが、日本の社会的構造が劇的に好転していかない限りは、れいわ新選組の議席数は今後も更にジリジリと斬増して党勢を拡大していくと思われます。


続きます。





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