インド 知られざる世界一の差別大国?
インドという国は、今では中国を抜いて世界一の人口を誇り、その内訳と言えば多数の民族が共存する国家でもあり、多くの言語が話され(公用語のヒンディ語と英語の他に22の州の指定言語)、複数の宗教が信仰されているのですね。
今回のトピックにスポットを当てますと、インドの北西部(おもにパンジャブ地方)にはアーリア系の人達が居り、南インドには先住していたドラヴィダ系の人達が住んでいたのです。
アーリア系というのはもともと中央アジアのユーラシア草原辺りに住んでいた人達でして、白人系のルーツがあり、一般的には肌の色が白い人達なのです。
それに対して南インドのドラヴィダ系というのは元々のインドの先住民でして、赤道に近い故に肌の色が濃い人達なのですね。
北部のアーリア系をルーツに持つ人達はどちらかと言えば気性が激しく、それに対してドラヴィダ系の人は穏やかな性格であると言われています。
アーリア系の人々は、インドの北西から紀元前2000年から紀元前1500年頃に掛けて侵略して来てインドに定着した人達なのですが、何千年もの時を超えて支配階級と結び付いてきたのです。
それにインドの国教ともいえるヒンドゥ教のカースト制度が複雑に絡んで、インドの差別社会というものが形成されていったのですね。
歴史的に見ると、肌の色が濃い人達は一日中太陽の下で働いていた人達、つまり労働者の象徴であり(下位のカースト)、上位カーストの人達からは見下されてきたのです。
そもそもこのカースト制度というのは、インド独立後に法的には禁止されて75年以上前に無くなった筈なのですが、学校に入学する時や政府の書類、婚姻(←ここ重要)などあらゆる場面でカースト制度が足枷のように蔓延っているのです。
学校の入学や政府の書類というのは、長年激しい差別を受けてきた(不可触賎民である)ダリットの人達を救済するために、彼等を優遇する法的な措置がありまして、今ではそれが入学時や就職などの逆差別となって、貧しいバラモンや上位カーストの人達の反感を買っているのです。
そもそもカーストというのは、ヒンドゥ教の概念と深く結び付いており、大まかに言うと最上位がバラモン(司祭、宗教学者)、次がクシャトリア(王族や支配階級)、そしてバイシャ(商人、農民) 、最後がシュードラ(労働者、隷属民)という四つの階級(ヴァルナ)に分かれており、更にその下にこれらの階級に属さない階級(アヴァルナ)であるダリットと言われる不可触賎民という人達が居るのですね。(ダリットは人口の16%、約二億人)
もっと細かく言えばカースト毎に職業によってさらに細分化されているのですが(ジャーティ、職業的分能集団)、何故このようなカースト制度が出来たのかと申しますと、ヒンドゥ教の概念では過去世の行いによって今世の自分が決まるというもので、低いカーストの人達は過去世の行いが良くなかったから今のカーストになったということらしいのです。
しかしですね、最も卑しいと言われている下位カースト(ダリット)の人達の職業こそ、自分に言わせれば素晴らしい社会貢献をしている職業に思えてならないのです。(実際には確実にそうであると断言出来ますよ)
人の排泄物処理や清掃、死体処理など、不浄といわれているような人が嫌がることを仕事にしている彼等こそ、一旦霊界へ戻れば沢山の祝福と称賛を受けることでしょう。
ヒンドゥ教のこの如何にも三次元的な貴賤、優劣の考え方は、霊的摂理から言うと全く以て間違っていると断言出来ますよ。
話は戻りますがそれに加えて、植民地時代の支配者であるイギリス人が白人であったことから、白い肌が優れていると見做した人々によってさらにカラーイズムが定着していったのですね。
インド映画がお好きな方はご存知でしょうが、メディアのCMやボリウッドに出てくる俳優や特に女優は、普通のインド人とはまるでかけ離れた西洋人のような見た目をしているのですけれども、これもですね、カラーイズムやルッキズムを象徴している最たるものとして挙げられると思います。
インドの結婚サイトなどを見てみると、相手の条件で肌の色が白い人というのは普通に出てきますからね。
女性は生まれた時の肌の色が濃いと、ああ、この娘は婚姻時の持参金を沢山積まなければならないねぇ、と当たり前のように言われたりしますので、インド社会で如何にカラーイズムが蔓延しているかという事の査証なのですよ。
それに、すでに無くなった筈のカーストに固執して、他のカーストを差別して交わろうともしない連中も、特に地方の田舎などでは未だに沢山いる状態なのです。
更に差別という点で指摘しますと、インドの北東部には、中国、チベット系の顔をしたインド人の人達が居りまして、白人的な価値観至上主義者からはまったく見た目の違う人種ということから、彼等は激しい差別を受けたりしているのです。
インドという国は、ある面ではダイナミックで極めて活気のある若々しい国ということも出来るのでしょうが、古い因習に囚われた差別の三重苦でがんじがらめになった国家という、闇の深い一面も同時に持ち合わせているのです。
正直言いまして、実質的にカースト制度がインド社会から完全に無くならない限り、インドの真の発展は将来的にも決して有り得ないと思いますよ。
終わり。
PS
インドのお隣のネパールにも、インドよりは若干緩いカーストというものが有りますが、インドの国境側の南部には彫りの深い顔立ちの人達、ヒマラヤ側にはほぼ中国人ではないかと見紛うばかりの人達が居り、北部の山岳民族や中央丘陵地帯のカトゥマンズを中心とした仏教徒の人達など、ちょうどミックスされた様な顔立ちの民族も沢山居ります。
但し、元王族やブラマン(バラモン)階級に彫りの深い顔立ちの人達が多いというのは事実でして、自分の友人だったインド料理屋のコックさんも南部のブラマン出身で、親戚の皆さん一同も彫りの深いインド系の顔立ちの人達でしたね。
しかし、インド同様法律的にカースト制度が廃止されているにもかかわらず、農村部ではやはりカーストによる差別や結婚差別が未だに色濃く残っているというのが実情のようですが、インドまでの激しいカラーイズムといものはあまり無いのですね。
ネパール人も日本へ来てしまえば、出稼ぎ仲間でカーストもヘッタクレもありませんから、ブラマンや中国系の人達が同じ同郷の仲間として上手くやっている様でした。
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